水質基準の検査項目について

水質基準の検査項目 解説

区分No.項目解説
微生物1一般細菌特定の細菌を指すのではなく、いわゆる雑菌を言います。種類は無数にありますが、ほとんどが人に対して無害の細菌です。水道水の場合は塩素消毒されているので、ほとんど検出される事はありません。汚染の指標とされているので著しく増加した場合は汚染されている可能性もあります。
2大腸菌人や動物等の腸内に存在する細菌である。水道水の場合は、塩素消毒されているので、ほとんど検出される事はありません。汚染の指標とされているので、その一部に病原菌を示すものがあるため、検出された場合は汚染されている可能性もあります。
重金属3カドミウム及びその化合物河川水等に含まれている事は少ないですが、鉱山排水や工場排水から混入する事があります。人体的被害としては、腎機能障害や骨障害を起こす事があります。過去の事例としてはイタイイタイ病があります。
4水銀及びその化合物工場排水、下水等から混入される事があります。無機水銀と有機水銀(アルキル水銀)とあり、無機水銀は温度計や体温計として使用されています。人体的被害としては、神経症状を起こす事があります。過去の事例としては、メチル水銀が蓄積した魚介類を摂取したことが原因とされる水俣病があります。
5セレン及びその化合物河川水等に含まれている事は少ないですが、まれに硫化水銀地帯の湧き水に含まれることがあります。一般的には鉱山排水や工場排水からの汚染が主なものです。人体的被害としては、皮膚障害、胃腸障害を起こす事があります。
6鉛及びその化合物昔の給水管として使用している事が多く、水道水中の鉛は給水管からの溶出によるものが多いです。最近ではステンレス管に切り替える傾向にあります。蛇口を長期間使用していなかったときの最初の水については、鉛溶出の恐れがあるため飲用以外に使用して下さい。人体的被害としては、貧血、神経系の障害を引き起こす事があります。
7ヒ素及びその化合物鉱山排水や工場排水から混入する事があり、自然界にはいろいろな形で存在しているので地下水に溶出してくる事があります。長期間の摂取により、爪や毛髪の異常や肝硬変、知覚麻痺があります。
8六価クロム化合物メッキ、製革や染料の原料として使用され鉱山排水や工場排水などによって混入される事があります。急性毒性としては嘔吐や下痢、慢性毒性としては黄疸を伴う肝炎等を引き起こす事があります。
無機物質9亜硝酸態窒素低濃度でもそれらの水を飲用すると幼児にメトヘモグロビン血症という呼吸を阻害する悪影響があるため、硝酸態窒素との合計量とは別に単独で評価値を定める事になりました。
10シアン化物イオン及び塩化シアン工場排水から河川水に混入し検出される事はありますが、自然水中にはほとんど含まれていません。毒性は極めて強く高濃度の場合は死亡する場合があります。
11硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素自然界のあらゆる場所(土壌、水、野菜)に広く存在して、亜硝酸態窒素は硝酸態窒素より低い濃度でも長期に継続して摂取した場合、メトヘモグロビン血症を引き起こす事があります。
12フッ素及びその化合物自然界に広く分布されており地質に由来されているものとされています。適量に含まれた水は、虫歯の予防効果があるとされているが多量に含まれている場合は斑状歯の原因にもなります。
13ホウ素及びその化合物工場排水から自然水に混入する事があります。温泉水や海水中には比較的高い濃度で含まれています。急性毒性としては血圧低下、ショック症状など慢性中毒としては食欲不振、嘔吐等を引き起こします。
一般有機化学物質14四塩化炭素化学工業原料、溶剤、ドライクリーニング等に使用される有機化学物で地下水汚染物質として知られています。多く摂取した場合は肝臓、腎臓等に障害を起こす事があります。
151.4-ジオキサン洗剤中の不純物に存在したり、オイル、ワックス、染料の溶剤などに使われ工場排水等から河川水に混入する事があります。
16シス-1.2-ジクロロエチレン及びトランス-1.2-ジクロロエチレン化学合成原料や溶剤等に使用され、地下水を汚染する事があります。人への健康影響には発がん性はないと言われていますが、肝機能障害、頭痛、視覚障害等や、麻酔作用があります。
17ジクロロメタン洗浄剤、塗料等の剥離剤として使用され地下水を汚染する事もあります。人への健康影響は発がん性の可能性があると言われています。
18テトラクロロエチレンドライクリーニング洗浄剤や金属洗浄剤等に使用され、地下水を汚染する事もあります。人への健康影響は肝臓障害、腎臓障害への障害があり、発がん性の可能性があると言われています。
19トリクロロエチレン脱脂溶剤やフロンガスの製造、ドライクリーニング洗浄剤に使用され地下水を汚染する事があります。人への健康影響は嘔吐、腹痛や中枢神経系の機能低下を引き起こす事があると言われています。
20ベンゼン合成ゴムや化学製品の原料、溶剤として使用され地下水を汚染する事もあります。人への健康影響は中枢神経系の障害、白血病があり発がん性もあると言われています。
消毒副生成物21塩素酸消毒剤として用いられる次亜塩素酸を長期保存すると、その酸化により生成されます。メトヘモグロビン血症や無尿症、腎障害などがあると言われています。
22クロロ酢酸除草剤や界面活性剤等としても使用され、原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。
23クロロホルム原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は麻酔作用や肝臓、腎臓の障害があり発がん性があると言われています。
24ジクロロ酢酸原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は発がん性があると言われています。
25ジブロモクロロメタン原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は肝臓障害があると言われています。
26臭素酸原水中に含まれる臭素がオゾン処理で酸化されて出来る消毒副生成物の一つです。人への健康影響は腎臓機能の低下や発がん性があると言われています。
27総トリハロメタンクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの合計量を言います。
28トリクロロ酢酸医薬品の原料等に使用されており、原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は発がん性があると言われています。
29ブロモジクロロメタン原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は発がん性があると言われています。
30ブロモホルム原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。人への健康影響は発がん性があると言われています。
31ホルムアルデヒド接着剤、塗料、防腐剤等に使用されているが原水中に含まれる有機物と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物の一つです。シックハウス症候群の原因物質の一つとしても知られています。
32亜鉛及びその化合物鉱山排水や工場排水等から混入されることがあり、また亜鉛メッキ銅管等の溶出により検出される事があります。白濁や不快な味を与えます。
33アルミニウム及びその化合物家庭用品、アルミ缶、電気用品など多種多様に使用されています。水道ではアルミニウム凝集剤として浄水処理に用いられています。人にはほとんど吸収されず、吸収されても急速に尿から排泄されると言われています。
34鉄及びその化合物水道水中に多く含まれていると赤水の原因になり洗濯物を赤褐色に着色する原因となります。水道管や家庭内の配管の老朽化により検出される事があります。
35銅及びその化合物水道水に多く含まれていると銅特有の金属味があり、高濃度になると洗濯物や水道施設を青色に着色する原因となります。
味覚36ナトリウム及びその化合物自然水中に広く存在するものであり、海水や工場排水等の混入や食品や融雪剤、医薬品の分野で広く用いられている。高濃度になると味覚を損なう原因となります。
37マンガン及びその化合物乾電池やガラスの原料として使用され工場排水から河川へ流入する事があります。水道水では消毒剤の塩素に酸化されて黒水の着色原因となります。
味覚38塩化物イオン自然水中に含まれており分かり易く言うと塩分の事であり、主に地質、海水に多く含まれています。また、工場や家庭排水にも多く含まれており、多量に含まれている場合は塩味がしたり鉄管の腐食を進めたりします。
39カルシウム、マグネシウム等(硬度)カルシウムとマグネシウムの合計量を言い、濃度が10~100mg/L程度の水が美味しいと言われています。濃度が高いと石鹸の泡立ちを悪くし、汚れが落ちにくくなる場合があります。濃度が高すぎると下痢を起こしたり胃腸障害を起こす事があります。
40蒸発残留物水を蒸発乾固した時に残る物質で、水の中の溶解又は浮遊している物質の総量を言います。蒸発残留物の量が多いと苦味、渋味等があり適度に含まれるとまろやかな味になります。
発泡41陰イオン界面活性剤生活排水や工場排水に混入されている事が多く、合成洗剤の主成分として使用されています。高濃度になると発泡の原因になります。
臭い42ジェオスミンかび臭物質の一つで、藍藻類や放線菌によって産生され水道の異臭味の原因物質とされています。高度浄水処理や活性炭処理により除去出来るようになりました。
432-メチルイソボルネオールかび臭物質の一つで、藍藻類や放線菌によって産生され水道の異臭味の原因物質とされています。高度浄水処理や活性炭処理により除去出来るようになりました。
発泡44非イオン界面活性剤生活排水や工場排水に混入されている事が多く合成洗剤の主成分として使用されています。
臭い45フェノール類工場排水や化学工場等の排水によって混入されている事が多く、微量であっても塩素と反応して不快な異臭味を与えます。
味覚46有機物(全有機炭素(TOC)の量)水の中の有機物量を含まれる炭素の量で示し、汚染の度合いを表します。高濃度になると水道水の味を悪くします。
基礎的性状47pH値酸性、アルカリ性の度合いを示すもので、0から14の数値で表します。基準値が5.8~8.6の範囲にあり、7が中性で数値が小さくなると酸性、数値が大きくなるとアルカリ性となります。
48味の判定は異常でないことですが、生活排水、工場排水、化学薬品等の混入や藻類等の繁殖や配管等の腐食により鉄、銅、亜鉛、マンガンなど多量に検出されると異常な味を与える事になり不快感を与えてしまいます。
49臭気藍藻類等の生物の繁殖によるかび臭や工場排水、下水の混入などや塩素処理による塩素臭が強くなったりする事があり不快な臭気を与える事になります。
50色度水についている色の度合いを示します。基準値以下であれば、ほとんど無色であり使用に支障はありません。
51濁度水の濁りの度合いを示します。給水栓等の水の汚れや配給水管内の汚れや異常を示すものであり、基準値以下であればほぼ透明であり使用に支障はありません。
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