- 2020.10.23水質・環境用語集
水質や環境に関係する用語について紹介いたします。
【水質環境基準】
環境基本法に基づくもので、人の健康を保護し生活環境を保全するために維持されることが望ましい基準として定められたものになります。
この環境基準では、健康項目と生活環境項目が別々に定められています。
【排水規制】
水質汚濁防止法で定められている規制基準のひとつで、1日当たりの排水量が50立方メートル以上の特定施設において全国一律の排水基準が定められています。
しかし、都道府県は社会的条件からみて不十分であれば条例でこれらに代えて適用する厳しい排水基準を定めることが出来ます。この基準を上乗せ排水基準といいます。
【上乗せ基準】
大気汚染防止法、水質汚濁防止法では国が全国一律の排出基準、排水基準を定めています。
しかし、社会的条件からみて不十分であれば都道府県は条例でこれらの基準に代えて適用する、より厳しい基準を定めることが出来ます。これを「上乗せ規制」といい、この基準値を「上乗せ基準」と呼んでいます。
【健康項目】
環境基本法に基づいて定められている水質環境基準のひとつです。
人の健康を保護するうえで維持されることが望ましい基準であり、カドミウム・鉛・六価クロムなど環境基準が定められています。
【生活環境項目】
環境基本法に基づいて定められている水質環境基準のひとつです。
生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準としてPH・BOD・COD・SS・ノルマルヘキサン抽出物質・大腸菌群・全窒素・全リン等の基準値が設定されています。
【水素イオン濃度:PH】
PHとは、水の酸性・アルカリ性の度合いを示すものです。1~14の範囲で表しPHが7が中性でそれ以上がアルカリ性、それ以下が酸性になります。
【生物化学的酸素要求量:BOD】
BODとは、水中の有機物が微生物の働きにより消費される酸素量を表します。20℃一定で5日間培養します。
河川の汚れ度合いを測る代表的な指標であり、この値が大きいほど河川の汚濁が進んでいることを表します。
【化学的酸素要求量:COD】
CODとは、水中に含まれる有機物が酸化剤によって酸化される時、消費する酸化剤の量をそれに相当する酸素量で表現した数値です。
海や湖沼において、生活環境項目として設定されておりCOD値が高いほど水が汚れていることになります。
【浮遊物質:SS】
SSとは、水中の懸濁している不溶解性物質を指します。水質の汚れ度合いを測る指標のひとつで動植物プランクトンやその死骸、生活排水、工場排水などに由来する有機物が含まれています。
SSの量は水の濁りや透明度等の外観に大きな影響を与えます。
【溶存酸素:DO】
DOとは、水中に溶解している酸素の量のことで水質の汚れ度合いを測る代表的な指標のひとつです。
きれいな河川では十分な濃度にあるが、有機物が多いと微生物等により消費され少なくなります。DOが欠乏すると魚類など水生生物の窒息死を招くという悪循環に陥ります。
【ノルマルヘキサン抽出物質】
n-ヘキサン抽出物質とは、水中の「油分」を表す指標として用いれられています。油分は主に、動植物油と鉱物油に大別できます。
【大腸菌群数】
大腸菌群とは、大腸菌及び大腸菌と極めてよく似た性質を持つ菌の総称です。水中の大腸菌群数は、し尿汚染の指標として用いれられています。
【全窒素:T-N】
全窒素とは、窒素化合物(硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素及び有機態窒素)の総量を指します。
【全リン:T-P】
全リンとは、リン化合物全体のことであり窒素化合物と同様に動植物の成長に欠かせないが水中の濃度が高くなってくると富栄養化を招きます。
(文責:長束 要祐)