- 2024.04.04農業(水稲)用水基準について
農業(水稲)用水基準は昭和45年3月に定めた基準で水稲の正常な生育のために望ましい灌漑用水の指標として利用されている。
★農業(水稲)用水項目
①PH(水素イオン濃度)
②COD(化学的酸素要求量)
③SS(浮遊物質量)
④DO(溶存酸素量)
⑤EC(電気伝導度)
⑥T-N(全窒素)
⑦As(ヒ素)
⑧Zn(亜鉛)
⑨Cu(銅)
★主な生育障害について
①PH(水素イオン濃度)
1.酸性が強い場合、根の発育が悪くなり獅子尾状根などが発生
2.アルカリ性が強い場合、鉄欠乏を起こし黄化現象が発生
②COD(化学的酸素要求量)
土壌の還元の促進等により根の活力が低下し根腐れが発生
また、水中の酸素を消費してしまう物質(主に有機物)が多く入っていることで生活排水、工場排水など汚水混入の可能性があります。
③SS(浮遊物質量)
水中に浮遊する無機質の微粒懸濁物が水田に流入した場合、土壌中の間隙が詰まり土壌の物理的性質(特に透水性、通気性)が悪くなり
水稲の生育に障害を与える。
④DO(溶存酸素量)
根腐れ等が生じる。根の呼吸が衰え養分の吸収が悪く玄米収量が減少する。
⑤EC(電気伝導度)
数値が高いほど肥料が多く高くなりすぎると根の張り、吸収が悪くなり植物が枯れてしまいます。
⑥T-N(全窒素)
栄養生長期に過繁茂となり病害を受けやすくなる。
1.過繁茂 2.倒状 3.登熱不良 4.もみ殻の大きさの縮小 5.不稔もみの増加 6.米質の悪化
⑦As(ヒ素)
葉脈を残し黄変葉となり、さらに症状が進めば白葉化する。
また、黄化葉は新葉から始まる。根は腐根となり新根の発生抑制被害大なるものは全茎黄化し枯死する。
⑧Zn(亜鉛)
葉脈間がクロロシスを呈し青枯れ的症状を示す。
また、根の生育が阻害される。
⑨Cu(銅)
葉の先端部から黄化し根が委縮して伸びない。
(文責:長束 要祐)